Guidance002. 薄茶のいただき方

小堀遠州流における薄茶のいただき方をご説明致します。型にばかり気をとられ、茶の楽しみを欠いては元も子もありませんが、やはりある程度のお作法や所作を知っておくと、心に余裕を持って楽しめるのも事実。様々な席によって場面は変わりますので、ここでは駒場・和楽庵の場合を説明いたします。

以下、茶室に入るところから、お仕舞になるまで、度々、「見る」という動作が入っていることに気づかれると思います。戸外では、露地の植栽や、つくばい、扁額、茶室内にはいっては、お軸、お花、茶道具、点前と、様々な部分をご覧いただくことになります。

実はここに茶の世界の愉しみがあります。つまり、季節やお客様に応じて、周到に考えられたコーディネートには、季節感の演出だけでなく、メッセージ、ユーモア、知恵が、詰まっていて、それらを読み解いていくということです。

お茶とお茶席を通じた亭主とお客様の交流をお楽しみいただければ幸いです。


寄付き 茶室に入る前の準備

  1. 腕時計、指輪(可能ならば)、大きなアクセサリーを外します。
  2. 足袋、または靴下に履き替えます。
  3. 席に持ち込む袱紗挟みを確認します。(扇子、懐紙、楊枝、袱紗など)
  4. 正客、詰めを決めます。
  5. 桜湯など、香煎をいただきます。
  6. 準備が整ったら、詰めが喚鐘を人数分打ちます。

露地

駒場・和楽庵 小堀遠州流 お茶室
露地 飛び石の上を進んでください。
  1. 露地草履に履き替えて、席に向かいます。
  2. 季節の木々、塀や灯籠、掃除の様子などをよく見ます。
  3. 植栽を傷つけないように、特に苔は踏まないように気をつけながら、前の人との間を少し開けて進みます。飛び石のあるところは、石の上を歩きます。
  4. 関守石の先には行かないでください。

つくばい

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  1. 前石の上でかがみ、ハンカチを膝の上に置きます。
  2. 右手で柄杓をとり、水を汲んで、左手に半分ほど注ぎます。
  3. 柄杓を左手に持ち替え、残した水を右手に注ぎます。
  4. 柄杓を右手に持ち、左手に水を半分ほど注ぎ、口をすすぎます。すすいだ水は吐き出してください。
  5. 左手を添えて柄杓を立て、残りの水を流して柄杓の柄を洗い、元の場所に戻します。
  6. 次の客と替わります。次客は、前の人の通り道を塞がないように、間を開けておきます。

入席

小堀遠州流 茶道 東京 目黒 駒場
茶道具
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軸 お花も是非お楽しみください
  1. 扁額、入り口の様子をよく見ます。
  2. 沓脱石の上にしゃがみ、右手で障子を開け、扇子を前において敷居に両手をついてお辞儀をしてから、天井、床をはじめ席の様子をよく見ます。
  3. 扇子をとって中ににじりこみ、後ろを向いて草履の裏と裏を合わせ、箒ずりのところに立てかけます。
  4. 床前に進み、1メートルほど空けて、扇子を前に置き、両手をついて一礼。右手に扇子を持って少し先へ進み、軸を拝見します。(上から下に見る)何が書いてあるのかを読み、意味を考え、筆者は誰か、拵え(表装)はどうかなどをよく見ます。花、香合、茶杓など飾ってあればよく見てから少し下がり、一礼をします。
  5. 次に道具畳に進み、釜の前で扇子を置き一礼。釜、風炉、水指、風炉先屏風などの道具を拝見。軽く黙礼して次客の邪魔にならないところに仮座します。
  6. 詰めの人が炉の前に進んで拝見しはじめる頃、正客が席につき、順次席についていきます。
  7. 一同が着席したら、詰めの人が咳払いをして、合図をします。
  8. 亭主一礼して、にじり入り、襖を閉めて挨拶。
  9. ここで、正客と亭主の間で、露地の様子、床の軸、花などについてやり取りをした後、「それでは薄茶をさし上げます。」と言って、亭主水屋に下がります。

点前

薄茶 点前 小堀遠州流 茶道
点前
  1. 点前が始まる前にお菓子をお持ちするので、正客が受け取り、略礼、そのまま前に置いておきます。
  2. 茶道口が開き、亭主が礼するのに合わせ、全員で礼をします。
  3. 道具を置き合わせ、亭主が「一服さし上げます」と声を掛けた頃、お菓子をを取り回します。
  4. 皿が前にきたら、ちょっといただいてから次客に会釈(略礼)、懐紙を一枚取り出し、折り目をたてにして置いてお菓子を懐紙の右側に取り、箸を懐紙の左隅で拭って皿の上に置き、皿を両手で次客との間に置きます。お菓子をいただくときは懐紙ごと折り目を横にして左手に取り、懐紙の向こう側を立てて目隠しにして楊枝で切って食べます。
  5. 点前が進み、正客の前にお茶が出されたら、右手で茶碗を取って左手に受け、一旦膝の前に置いて、隣の人に「お先に・・」と会釈(略礼)します。
  6. 右手で茶碗を取って左手に受け、中のお茶のたち具合を見てから、少しささげて会釈。右手で茶碗の縁を持って時計回りに90度まわして茶碗の正面を避けてから一口いただきます。
  7. 亭主より「お服加減はいかがでしょうか?」と声をかけますので、「結構です。」と応え、残りを飲み干します。最後のひとすすりの時に「チュッ」と音をたてます。
  8. 左手に飲み終えた茶碗を受け、飲み口を右手の親指と人差し指ではさむように左から右に拭き、さらに親指の腹で飲んだ後の茶碗の縁を拭いて、ちょっと回してから、正面をあらためて、畳の縁の向こう側に置きます。
  9. 次客以降、3、4,5を同様にしてお茶をいただきますが、亭主より服加減をたずねることはいたしません。

仕舞・拝見

武家茶 茶の湯 駒場・和楽庵
お抹茶をいれる棗やお茶碗などを愛でるのもお茶の愉しみのひとつ
  1. 釜に中水を差し、飲み終えた茶碗がもどり、お湯で茶碗をすすいだ後、「お仕舞にいたします。」と声をかけ、茶碗に水を汲み茶筅をすすぎます。茶杓を清めて茶碗の上に乗せ、水指の前に棗と置き合わせます。ここで、正客は「お茶器、お茶杓の拝見」と声をかけます。
  2. かぎ畳に出された棗、茶杓を詰めが正客の前に置きます。
  3. 正客は、棗を畳の縁の内側に入れ、拝見します。「お回ししてもよろしいですか?」と声をかけた後、次客に回します。
  4. 茶杓も同様にして拝見します。
  5. 正客と亭主の間で、道具についてのやり取り。次客以下は、伺いたいことがあれば、正客に尋ねてもらいます。
  6. 建水、茶碗、棗を片付け、水指に水つぎで水を継ぎ足し、釜の蓋をきって袱紗を腰につけ、戻った棗、茶杓をもって略礼。茶道口で一礼(総礼)してからふすまを閉めて終了になります。

以上

駒場・和楽庵のコースは、こちらでご紹介しています。

このページでご紹介した薄茶をお楽しみいただくコースもご用意しています。

是非、御覧ください。

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